埼玉県飯能市美杉台の民家で3人が殺害された事件で、無職斎藤淳容疑者(40)=殺人未遂容疑で逮捕=は民家に侵入し、3人を屋外まで追い掛けて鈍器で襲った後、室内に放火したとみられることが26日、県警への取材で分かった。
3人のうち夫婦の遺体の損傷が激しく、県警は夫婦への強い恨みがあったとみて、動機などを調べている。
県警は同日、3人の身元を、この家に住む米国籍の無職ビショップ・ウィリアム・ロス・ジュニアさん(69)と妻の無職森田泉さん(68)、長女の会社員森田ソフィアナ恵さん(32)=東京都渋谷区神宮前=と明らかにした。
斎藤容疑者は「言いたくありません」と供述を拒否しているという。県警は殺人容疑に切り替えて27日に送検する。
県警によると、3人は25日朝、庭や玄関付近に倒れていた。逃げた際に襲われたとみられ、頭などに鈍器で執拗(しつよう)に殴られたような痕があった。3人が襲われたのと同じ時間帯には火災が発生し、室内の一部が焼けた。
斎藤容疑者は25日夜、現場近くにある自宅2階の部屋で身柄を確保された。その際、ドアが開かないよう、内側に物を置いて抵抗。警察官が無理やり開けて取り押さえた。自宅には1人で住んでおり、凶器とみられる複数の鈍器が押収された。
斎藤容疑者は、被害者宅に止まっていた車に石を投げるなどしたとして、器物損壊容疑で今年1月に逮捕され、不起訴処分となった。その後、この家に防犯カメラが設置され、事件直前に斎藤容疑者が敷地内に侵入する姿が映っていたという。
斎藤容疑者が、この家の車を傷つけたのは以前にもあったという。県警は過去のトラブルと今回の事件との関連を調べている。