釣りの最中に海に転落した男児を適切な判断で助けたとして、松山海上保安部は27日、松山市山越の会社員、戸井久志さん(41)と妻で公務員の千恵さん(41)に感謝状を贈った。久志さんらが救命胴衣を身に付けていたことが救助の決め手となった。2人は「万が一の備えが役に立って良かった」と喜んだ。
「一度心臓止まった」取引先の男性 長谷工社員ら連係救助 夫妻と息子の同市立番町小1年、理人さん(7)は11月23日の昼前、同市三津ふ頭で釣りをしていたところ、10メートルほど離れた場所で小学4年の男児が岸壁から2・5メートル下の海中に落ちるのを目撃した。久志さんはとっさに自分が着ていた救命胴衣に、釣り用のバケツに付いていたロープを結びつけて投げ入れ、男児につかまらせた。一緒にいた男児の祖父とロープを持ち、パニックになり泣いている男児を励まし続けた。千恵さんが118番をかけ、男児は駆けつけた海上保安官らによって約10分後に救助された。男児に大きなケガはなかった。

久志さんらもよく訪れるという現場は普段は釣り客でにぎわっているが、この日は雨が降っていて他に人はいなかった。男児は救命胴衣を着ていなかったという。 一家は「海の事故は118番」と確認するなど普段から“もしも”に備えた会話をし、釣りの際には父子で救命胴衣を着るようにしていた。久志さんは「子どもが海に落ちたら、という考えは常にあった。備えておく大切さを感じた」。千恵さんは救命胴衣について「めったに役立つことはないが、数千円の物で命を守れるので惜しむべきではない」と話した。【斉藤朋恵】
夫妻と息子の同市立番町小1年、理人さん(7)は11月23日の昼前、同市三津ふ頭で釣りをしていたところ、10メートルほど離れた場所で小学4年の男児が岸壁から2・5メートル下の海中に落ちるのを目撃した。久志さんはとっさに自分が着ていた救命胴衣に、釣り用のバケツに付いていたロープを結びつけて投げ入れ、男児につかまらせた。一緒にいた男児の祖父とロープを持ち、パニックになり泣いている男児を励まし続けた。千恵さんが118番をかけ、男児は駆けつけた海上保安官らによって約10分後に救助された。男児に大きなケガはなかった。
久志さんらもよく訪れるという現場は普段は釣り客でにぎわっているが、この日は雨が降っていて他に人はいなかった。男児は救命胴衣を着ていなかったという。
一家は「海の事故は118番」と確認するなど普段から“もしも”に備えた会話をし、釣りの際には父子で救命胴衣を着るようにしていた。久志さんは「子どもが海に落ちたら、という考えは常にあった。備えておく大切さを感じた」。千恵さんは救命胴衣について「めったに役立つことはないが、数千円の物で命を守れるので惜しむべきではない」と話した。【斉藤朋恵】