今年のニュースを振り返る“レオスタ2022”「文化・教育」編です。コロナ禍で影響を受けた地域の祭りや行事に少しずつ変化が見られた今年。石川県内には新しい施設もオープンした一年でした。
地域のにぎわい創出などを目指して4年前に開校した公立小松大学では、今年、第1期生が卒業しました。
女子学生「充実した4年間を過ごしました」「楽しかったです」「充実してました」

さらに、春には大学院の研究施設が完成し、卒業後に地域の産業振興などに貢献できる学生の育成を目指します。ことし、県内では教育や文化施設が続々とオープンしました。
金沢学院大学では、附属中学校が4月に開校し1期生133人が真新しい制服に身を包み、緊張した面持ちで入学式に臨みました。
新入生代表あいさつ・安井響 さん「1日1日を大切に勉強や部活動に励み文武両道で取り組んでいきたい」

県内初の子供向け図書館として2008年に開館した玉川子ども図書館は春に改修工事を終えてリニューアルオープンしました。特徴的なのが1階の「木のひろば」建て替えの時に伐採せざるを得なかったイチョウの木などを本棚代わりのシンボルツリーとして活用したり、木のおもちゃが自由に使えたりと遊びと絵本の空間が同居する施設になりました。
7月には県立図書館が金沢市本多町から小立野に移転。地上4階、地下1階建ての新しい県立図書館は愛称を「百万石ビブリオバウム」とし、収蔵能力も、およそ86万冊から全国トップクラスとなる230万冊ほどと大幅に増やしました。
開館日に訪れた人からは「めちゃくちゃオシャレでした」といった声や「中でずっと読んでいたいな、みたいな感じになりました」といった声が聞かれました。館内は、全国でも珍しいすり鉢型の閲覧空間で、テーマごとに本が分けられていてイベントなどが行える体験スペースも設けられています。
12月には来館者50万人を達成し、まさにロケットスタートとなりました。平日で一番人が多いとされる午後3時ごろは、親子や年配といった幅広い世代の利用者が見られます。開館以来、利用者から評判なのが「おしゃべりOK」と「飲食OK」というこれまでにはなかった運用です。施設の巡回で毎日7000歩は歩くという伊藤信一副館長。春に異動して来たばかりで、移転準備チームが掲げた方針に期待感を抱いていました。
伊藤信一 副館長「こういう図書館って見たことないなと」

施設のテーマは「思いもよらない本との出会いや体験」そのために県が目指したのが、第三の居場所という考え方でした。
伊藤信一 副館長「家庭でもない学校でも職場でもないサードプレイスを見つけていただく場所だということを考えた時に、禁止から始まるのではなく、何でもいいよ但し外尾方のご迷惑にならない程度にマナーは守ろうねという、許容からマナーを守る方に行ったほうが恐らく皆さんの居場所を見つけられやすいのではないかと」

導入の賛否が分かれた「こどもエリア」も、開館すれば様々な世代が同じ空間にいる光景が広がり、まさに「思いもよらない出会いや体験」を想像させます。
ほかにも設備について「足湯」のアイディアや「館内でネコを飼う」といったユニークなアイディアが出されたこともありました。
そこには「本が好きな人も、そうでない人にも幅広く使えるためには」を考えた職員たちの熱い思いがありました。
伊藤信一 副館長「いろんなコミュニケーションを積み重ねながら、日々職員も勉強を重ねてやはり成長していくべきですし、県民の皆さんの成長をぜひ助けたいと思う」

コロナ禍で生活様式が変わるなか、来年も様々な知恵と工夫が私たちの暮らしを変えてくれるかもしれません。