平成7年から昨年末までの約30年間に自殺や事故、事件などで死亡し、人定につながる所持品を持たず、いまだに身元不明のままとなっている遺体が東京都内だけで3445体に上ることが29日、捜査関係者への取材でわかった。
特定技術の向上で身元が判明しない遺体は漸減傾向にはあるが、なお年60体超が積み上がっている。
警視庁が扱う年間約2万体の遺体のうち、身元不明の遺体は平成30年以降、毎年約1400体見つかっている。腐乱した孤独死の遺体など一時的に身元がわからないケースも含まれるが、全く身元が分からない遺体は自殺者が多いという。
近年、データベース化やDNA型鑑定など特定技術は向上し、発見時に身元不明だった遺体の9割は特定につながっている。
それでも身元が分からないケースは平成23年の年間127体から令和3年には65体と半減したが、平成7年から特定できずに捜査が続く遺体は、昨年末時点で3445体に上る。
遺体の返還だけでなく、事件性の有無を判断する上でも、身元特定は警察の責務で、全国の警察で発見時の状態や身体的特徴をホームページで公開している。