秋篠宮ご夫妻は9月4日、横浜市の能楽堂を訪れ、琉球舞踊の公演を鑑賞されました。
沖縄の本土復帰50年を記念した「横浜能楽堂企画公演『男の組踊 女の舞踊』」は、琉球舞踊の第一線の踊り手が一堂に会して行われました。
この日、女踊りの「諸屯(しゅどぅん)」を披露したのは、去年、人間国宝となった志田房子さん。
長年沖縄の伝統文化に心を寄せてこられた上皇ご夫妻と親交があり、昭和50年(1975年)には東宮御所で琉球舞踊を披露しました。当時小学4年生の秋篠宮さまもご覧になっています。また、大学時代の紀子さまに琉球舞踊を教えたことも。
志田さんは公演終了後、報道陣に学生時代の紀子さまとのエピソードを明かしました。
学習院大学時代、「沖縄学」のゼミ旅行で初めて沖縄を訪問した際、琉球舞踊をご覧になり関心を持たれた紀子さまは、ゼミを担当していた沖縄学研究者の外間守善さんから志田さんを紹介してもらい、直接電話をかけられたそうです。
「学習院大学に通う川嶋紀子と申します。今度、青年の船に乗る時に日本の伝統文化を何か披露したく、琉球舞踊を覚えたいのです」
志田さんのもとに通い、琉球舞踊の稽古を始められた紀子さま。志田さんによると、勘がよく、船に乗るまでにしっかり覚えられたということです。
今回の公演で、志田さんの娘・真木さんが披露した古典舞踊の「本貫花(むとぅぬちばな)」。
愛しい人に「貫花(ぬちばな)」と呼ばれる紅白の花飾りを贈るという恋心を描いた踊りです。
志田房子さんが昔、紀子さまに教えた踊りの一つが雑踊り(ぞうおどり)の「貫花」。古典の「本貫花」を軽やかなテンポにアレンジしたものです。外国人に喜ばれるだろうと思い教えたといいます。
この時、志田さんは「貫花」について「愛しい人に愛の証のように差しあげるんですよ」と紀子さまに説明したということです。
その後しばらくして、志田さんは、紀子さまから1本の電話を受けました。
「貫花を差しあげる方が決まりました」
秋篠宮さまとの婚約の報告でした。
結婚後も琉球舞踊の稽古を続けてこられた紀子さま。長女の小室眞子さんもまた、志田さんの指導を受けていました。
公演後、ご夫妻は、志田さんら出演者に「きょうは良い踊りを見せていただいてうれしいです」「これからも体に気をつけて頑張ってください」と声をかけられました。
そして、久々の再会に「年を重ねると涙腺が弱くなって」と涙をこぼした志田さんに、紀子さまは「そんなことございませんよ」とバッグからティッシュを出して渡されたといいます。
琉球舞踊に長く心を寄せられる秋篠宮ご夫妻です。
(「皇室ご一家」10月2日放送)