公明党が同党の熊野正士参院議員(比例代表)のセクハラ行為をめぐる週刊誌報道にいら立ちを強めている。
山口那津男代表と北側一雄副代表がセクハラ行為を隠蔽(いんぺい)したと週刊文春などが報じたためで、公明党は事実無根として発行元を提訴した。ただ、来春の統一地方選へイメージダウンは避けられないと懸念する声も出ている。
同党は9日、文春などの報道は名誉毀損(きそん)だとして、発行元の文芸春秋と新潮社を東京地裁に提訴。損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた。文芸春秋は「記事には十分自信を持っている」、新潮社は「確実な根拠に基づき、事実を報じた」とのコメントを出した。
公明党は熊野氏を議員辞職させ、早期の幕引きを図る方針だが、熊野氏は入院中で連絡が取れないという。山口氏は8日の党会合で「未曽有の危機に団結して困難を乗り越える」と危機感をあらわにした。
告示が15日に迫る代表選をめぐっては、山口氏の続投論が広がる。党関係者は「ここで代表が辞めれば、セクハラ隠蔽を認めての引責になる。交代はできなくなった」と指摘。一方、週刊誌報道を受け、「訴訟で影響が統一選まで長引く前に代表を代えた方がいい。課題だった若返りも進む」(ベテラン)といった声も出始めている。