『あなたとコンビニとニッポン』堀井亜生×渡辺広明 全国5万8000店舗、年間155億人が買い物する“コンビニ超大国ニッポン”。老若男女、昼夜を問わずさまざまな人が訪れるコンビニは、その目的や利用方法も人によってさまざまだ。「コンビニとの付き合い方」を覗いた先に見えてくるものとは? コンビニジャーナリスト・渡辺広明氏が、ゲストを招きコンビニについて大いに語り合う──。

今回のゲストは、『ホンマでっか!?TV』(フジ系)で魅せる軽快なトークでもお馴染みの弁護士・堀井亜生氏。メディアで活躍するほか、本業である弁護士業務はもちろん、家庭では一児の母として家事もこなすという超多忙な生活を送っている。実はコンビニを積極的に利用するようになったのは、つい数年前からのことだそうで…。コンビニの原点は“出張セイコーマート”【写真】そんな堀井弁護士イチオシのコンビニ商品は渡辺広明(以下、渡辺):堀井先生とは『ホンマでっか!?TV』で共演して以来、親しくさせていただいています。本日はお越しいただきありがとうございます。堀井亜生(以下、堀井):こちらこそ、お呼びいただきありがとうございます。まぁ、そういう仲だから、事前に渡辺さんから“宿題”が届いていたのでしょうか(笑)。渡辺:すみません(笑)。今回、対談するにあたって「“コンビニと離婚問題”というテーマで、何か話題はありませんか?」とお願いしていました。我ながら無茶振りかなと思ったのですが、堀井先生ならいけるんじゃないかと…いかがですか?堀井:ちゃんと用意してきましたよ。ズバリ「モラハラ夫はコンビニが嫌い」です。図らずもコンビの伝道師になっていた渡辺氏渡辺:すごい! ぜひ詳しくお聞かせください。堀井:モラルハラスメントの範囲は広いですが、とくにドケチタイプのモラハラ夫はコンビニを異常に嫌うんですよ。今のご時世で、コンビニにも十分に安い商品が置かれているじゃないですか。でも、彼らは一様に「高い」と言うんです。渡辺:たしかにスーパーの方が安い商品も多いですけど…。 堀井:飲み物を買う時は、スーパーどころかドラッグストアしか家族に使わせません。たとえば500mlペットボトルのお茶は、コンビニでは100円前後で売っていますよね。彼らはこれを高いと言い、さらにスーパーの80円のお茶でも高いと怒る。結果、ドラッグストアの特売で60円前後で売られているお茶しか買うことを許さないんです。もちろん家族で出かけるときも水筒を持参するのですが、それがなくなって喉がカラカラで死にそうな状態になって目の前にコンビニがあっても、ドラッグストアまで行ってやっとお茶を買うことを許可するわけです。 渡辺:先生の元へそういう相談があるんですね…。堀井:モラハラする男性の大半はお金に厳しく「自分の稼いだ金を妻や子どもに使わせない」という精神。また、「妻や子どもが楽をするのが許せない」という気持ちもあります。普通に生活をしていたら、コンビニでちょっとお菓子や飲み物を買うことってありますよね。モラハラ夫はそれすらも絶対に許さないんです。そのため、妻たちは「コンビニで買ったことがバレたら怒られるから、怖くて行けない」そうです。ただ、モラハラ夫自身はコンビニで買い物をしているんです。 渡辺:別に貧乏なわけではないんですよね?堀井:貧乏どころか高収入で、年収1000万円以上の人も多いです。理系出身のメーカー勤務という傾向もあります。 渡辺:もちろん、すべての男性がそうではないことは分かっていますが、僕の知人の女の子も、某大手メーカーの研究所の男にストーカーされて困っていたことがあります。女性との距離の詰め方がおかしい人って一定数いますよね。 堀井:そうなんですよ。彼らに共通するのは恋愛経験に乏しいことです。とは言え、勤務先や収入は高スペックですから、就職後に相手を探せば見つかります。そして、いざ付き合ったらすぐに結婚。端から見れば超スピード婚ですが、彼らは結婚相手を見つけるために交際しているので、デートする時間とお金がもったいないわけです。女性からしても、相手の人となりが分からないまま結婚するため、結婚後に初めてモラハラが発覚するんです。お相手の女性は、みんな性格のいい人ばかりですが、引っ込み思案で主張が弱いので、抱え込んでしまうんです。 渡辺:興味深い話ですね。堀井先生の『ブラック彼氏』(毎日新聞出版)もおもしろかったけど、モラハラ夫でも一冊書けるんじゃないですか? 堀井:実は来年に出す予定なんですよ、モラハラの本。もし出版したら、またデイリー新潮で取材してください。最初の記憶は“出張コンビニ”渡辺:さて、話題をコンビニに戻しますが、堀井先生は北海道札幌市出身ですよね。コンビニと言えば、やっぱりセイコーマートですか?堀井:そうなんですが、私は札幌市のなかでも南区という山深い地域の出身なので、あまり周辺のコンビニの記憶がないんですよね。 渡辺:定山渓方面ですよね。堀井:そうです。ただ、小学校と中学校は北区にある北海道教育大学の附属に通っていました。土曜日になるとセイコーマートが学校に来て、コンテナを並べて食べ物や飲み物を売っていました。たぶん、子どもの頃のコンビニの記憶となると、これが一番印象に残っているかな…? 渡辺:出張コンビニですか! これは非常に珍しいケースです。おそらく、コンビニ本部側の施策ではなく、学校側が近隣店舗のオーナーにお願いしてたんじゃないかな。堀井:そうかもしれません。当時は周辺に何もなかったので、午後から部活をやる生徒のために、わざわざ臨時の売店を設けてくれていました。いつも500mlパックの桃のジュースと、ツナマヨおにぎりと、菓子パンを買っていたのを憶えています。 渡辺:あいの里のエリアですよね。僕もローソン社員時代、異動で北海道で暮らしていた時期があるので、その辺りも車で走ったことがありますが、たしかに当時はお店がなかった。出張コンビニは貴重だったでしょうね。セイコーマートだとしたら、菓子パンは日糧製パンですか?堀井:どうでしょう…そこまでは憶えてないです。 渡辺:日糧製パンで印象に残っているのは、何と言っても「チーズ蒸しパン」なんですよ。今でこそ全国的には山崎製パンの「北海道チーズ蒸しケーキ」が有名ですが、元祖は日糧製パンの「チーズ蒸しパン」です。1990年発売で、仕入れれば仕入れるだけ売れていく大ヒット商品でした。発売年が僕のローソン入社年と同じということもあり、首都圏でも大人気だったので強く印象に残っています。 堀井:思い出した! 私がいつも買っていた菓子パンも「チーズ蒸しパン」でした。早く行かないと売り切れちゃうから、走って買いに行ってたっけ。懐かしいなぁ…。SMAP目当てでローソンへ渡辺:高校時代はいかがですか? 交友関係や行動範囲も広がり、コンビニを使う機会もあったかと思います。堀井:ローソンに行かざるを得ない青春時代でした(笑)。渡辺:どういうことですか? 堀井:『ジャニーズワールド』って憶えてますか?渡辺:憶えてます。なるほど!堀井:私はSMAPの大ファンで、SMAPのビデオがローソン限定だったんですよ。 渡辺:記憶が曖昧ですが、たしか1店舗あたり約40本、当時ローソンは5000店舗前後だったので20万本、毎回予約販売で売れたんですよ。近隣にローソンがないSMAPファンは、親に頼み込んで車で長時間走らせて、ローソンまで買いに行ったそうです。堀井:私も何本も買ったし、SMAP目当てでみんなローソンに行ってました。なんでローソンだけだったんだろう。 渡辺:ローソンにエンタメ系のコンテンツが集中したのは、1997年、コンビニとして初めて全国47都道府県出店を実現したことが大きいです。『ジャニーズワールド』の販売開始直後はまだでしたが、その後は「全国各地に等しく売ることができる」というのは強みでしたね。バイヤー時代「47都道府県すべてに店舗がありますから」は、僕の商談時の口説き文句でした。『たまごっち』(バンダイ)や『ポケモン(ポケットモンスター)』(任天堂)グッズも、ほかのチェーンに先駆けて売っていました。それにしても、堀井先生はSMAPファンだったんですね。誰推しですか?堀井:吾郎ちゃん(稲垣吾郎)です。昔も今も変わらず大好き。メディアの仕事が増えたのに、吾郎ちゃんだけ会えてないんです。ほかのメンバーには会えたのに…。渡辺:稲垣さんはほかの方に比べてバラエティの仕事少ないですからね。堀井:せっかく東京に来て、頑張って弁護士になったのに…。 渡辺:堀井先生が弁護士になった理由って、SMAPに会うためだったんですか?堀井:それだけじゃありませんが、モチベーションのひとつではありました。大学の進路で地元ではなく上京を選んだのも、東京に行ったらSMAPに会えるかな…と(笑)。あとは天邪鬼的な思考で弁護士を目指した感じです。 渡辺:天邪鬼?堀井:私が通っていた札幌南高校は医学部志望が非常に多く、公立校としては医学部進学者数がトップクラスです。同級生も多くは医師志望で、みんなが目指すものはちょっと…と思い、弁護士を目指してみようかなと。ちなみに、進学した中央大学は山の中のキャンパスだったので、大学時代はほとんどコンビニを使ってません。何かすみません。渡辺:いえいえ(笑)。多忙な生活で気づいたコンビニの便利さ渡辺:小中時代は出張コンビニというイレギュラーで、高校時代はSMAPのビデオ購入くらい。そして大学時代もほとんどコンビニを利用していない…わりと珍しいパターンです。 堀井:大学時代から自炊が基本ですし、働き始めてからも全然利用してなかったです。あと、私は食いしん坊なので、自分が美味しいと思うものを食べたいんですよ。結婚後もたまに利用することはありましたが、コンビニのお惣菜やお弁当をあまり美味しいと思えなくて…。ただ、現在は超ヘビーユーザーです。多いときは1日3回くらい行くこともあります。 渡辺:何があったんですか。堀井:きっかけは渡辺さんですよ?渡辺:僕ですか!? 堀井:『ホンマでっか!?TV』を通じて、渡辺さんに出会ったのが2016年ですよね。渡辺さんからコンビニに関するいろいろなお話を聞いているうちに興味が湧いて、少しずつ通うようになりました。渡辺:何を買うんですか? それまで興味なかったじゃないですか。 堀井:PB(プライベートブランド)の日用品や生鮮食品です。子どもが生まれてからというもの、育児と仕事の両立が本当に大変で…。スーパーも決して遠くはないのですが、小さい子どもがいるとこんなに行きづらいものなのかと。そこで、当初はネットスーパーを利用していましたが使い勝手が悪く、最寄りのコンビニが生鮮食品を扱っていることに気づいてからは積極的に利用するようになりました。意外と…と言っては失礼ですが、品質も良くて驚きました。今ではコンビニ食材だけで自炊できますよ。 渡辺:1週間の作り置きの料理、よくInstagramにアップしてますよね。あれ、コンビニ食材だったんですか。堀井:すべてではありませんが、コンビニ食材も多いですよ。あとは、子どものお弁当づくりでも重宝してます。 渡辺:堀井先生のように超多忙な人にとって、コンビニは本当に便利だと思います。堀井:本当にそう思います。渡辺:弁当や惣菜には今でも抵抗ありますか? 堀井:セブン(セブン-イレブン)は美味しいと思える商品がいくつもあります。すごいですよね、大手3社のなかでは頭抜けていると思います。渡辺:将来、お子さんが自立して余裕ができたら、コンビニを利用しなくなる可能性はありますか?堀井:コンビニに慣れてしまったので、今後も利用し続けると思います。きっと、もっと便利で美味しくなっているはずですから。堀井亜生(ほりい・あおい)弁護士。堀井亜生法律事務所代表。北海道札幌市生まれ。家庭問題と医療法務を主に扱う。法律評論家として『ホンマでっか!?TV』(フジ系)にレギュラー出演するほか、多くの番組に出演。著書『ブラック彼氏 恋愛と結婚で失敗しない50のポイント』(毎日新聞出版)など。 渡辺広明(わたなべ・ひろあき)流通アナリスト。コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務など幅広く活動中。フジテレビ『FNN Live News α』レギュラーコメンテーター、TOKYO FM『馬渕・渡辺の#ビジトピ』パーソナリティ。デイリー新潮編集部
全国5万8000店舗、年間155億人が買い物する“コンビニ超大国ニッポン”。老若男女、昼夜を問わずさまざまな人が訪れるコンビニは、その目的や利用方法も人によってさまざまだ。「コンビニとの付き合い方」を覗いた先に見えてくるものとは? コンビニジャーナリスト・渡辺広明氏が、ゲストを招きコンビニについて大いに語り合う──。
今回のゲストは、『ホンマでっか!?TV』(フジ系)で魅せる軽快なトークでもお馴染みの弁護士・堀井亜生氏。メディアで活躍するほか、本業である弁護士業務はもちろん、家庭では一児の母として家事もこなすという超多忙な生活を送っている。実はコンビニを積極的に利用するようになったのは、つい数年前からのことだそうで…。
【写真】そんな堀井弁護士イチオシのコンビニ商品は渡辺広明(以下、渡辺):堀井先生とは『ホンマでっか!?TV』で共演して以来、親しくさせていただいています。本日はお越しいただきありがとうございます。堀井亜生(以下、堀井):こちらこそ、お呼びいただきありがとうございます。まぁ、そういう仲だから、事前に渡辺さんから“宿題”が届いていたのでしょうか(笑)。渡辺:すみません(笑)。今回、対談するにあたって「“コンビニと離婚問題”というテーマで、何か話題はありませんか?」とお願いしていました。我ながら無茶振りかなと思ったのですが、堀井先生ならいけるんじゃないかと…いかがですか?堀井:ちゃんと用意してきましたよ。ズバリ「モラハラ夫はコンビニが嫌い」です。図らずもコンビの伝道師になっていた渡辺氏渡辺:すごい! ぜひ詳しくお聞かせください。堀井:モラルハラスメントの範囲は広いですが、とくにドケチタイプのモラハラ夫はコンビニを異常に嫌うんですよ。今のご時世で、コンビニにも十分に安い商品が置かれているじゃないですか。でも、彼らは一様に「高い」と言うんです。渡辺:たしかにスーパーの方が安い商品も多いですけど…。 堀井:飲み物を買う時は、スーパーどころかドラッグストアしか家族に使わせません。たとえば500mlペットボトルのお茶は、コンビニでは100円前後で売っていますよね。彼らはこれを高いと言い、さらにスーパーの80円のお茶でも高いと怒る。結果、ドラッグストアの特売で60円前後で売られているお茶しか買うことを許さないんです。もちろん家族で出かけるときも水筒を持参するのですが、それがなくなって喉がカラカラで死にそうな状態になって目の前にコンビニがあっても、ドラッグストアまで行ってやっとお茶を買うことを許可するわけです。 渡辺:先生の元へそういう相談があるんですね…。堀井:モラハラする男性の大半はお金に厳しく「自分の稼いだ金を妻や子どもに使わせない」という精神。また、「妻や子どもが楽をするのが許せない」という気持ちもあります。普通に生活をしていたら、コンビニでちょっとお菓子や飲み物を買うことってありますよね。モラハラ夫はそれすらも絶対に許さないんです。そのため、妻たちは「コンビニで買ったことがバレたら怒られるから、怖くて行けない」そうです。ただ、モラハラ夫自身はコンビニで買い物をしているんです。 渡辺:別に貧乏なわけではないんですよね?堀井:貧乏どころか高収入で、年収1000万円以上の人も多いです。理系出身のメーカー勤務という傾向もあります。 渡辺:もちろん、すべての男性がそうではないことは分かっていますが、僕の知人の女の子も、某大手メーカーの研究所の男にストーカーされて困っていたことがあります。女性との距離の詰め方がおかしい人って一定数いますよね。 堀井:そうなんですよ。彼らに共通するのは恋愛経験に乏しいことです。とは言え、勤務先や収入は高スペックですから、就職後に相手を探せば見つかります。そして、いざ付き合ったらすぐに結婚。端から見れば超スピード婚ですが、彼らは結婚相手を見つけるために交際しているので、デートする時間とお金がもったいないわけです。女性からしても、相手の人となりが分からないまま結婚するため、結婚後に初めてモラハラが発覚するんです。お相手の女性は、みんな性格のいい人ばかりですが、引っ込み思案で主張が弱いので、抱え込んでしまうんです。 渡辺:興味深い話ですね。堀井先生の『ブラック彼氏』(毎日新聞出版)もおもしろかったけど、モラハラ夫でも一冊書けるんじゃないですか? 堀井:実は来年に出す予定なんですよ、モラハラの本。もし出版したら、またデイリー新潮で取材してください。最初の記憶は“出張コンビニ”渡辺:さて、話題をコンビニに戻しますが、堀井先生は北海道札幌市出身ですよね。コンビニと言えば、やっぱりセイコーマートですか?堀井:そうなんですが、私は札幌市のなかでも南区という山深い地域の出身なので、あまり周辺のコンビニの記憶がないんですよね。 渡辺:定山渓方面ですよね。堀井:そうです。ただ、小学校と中学校は北区にある北海道教育大学の附属に通っていました。土曜日になるとセイコーマートが学校に来て、コンテナを並べて食べ物や飲み物を売っていました。たぶん、子どもの頃のコンビニの記憶となると、これが一番印象に残っているかな…? 渡辺:出張コンビニですか! これは非常に珍しいケースです。おそらく、コンビニ本部側の施策ではなく、学校側が近隣店舗のオーナーにお願いしてたんじゃないかな。堀井:そうかもしれません。当時は周辺に何もなかったので、午後から部活をやる生徒のために、わざわざ臨時の売店を設けてくれていました。いつも500mlパックの桃のジュースと、ツナマヨおにぎりと、菓子パンを買っていたのを憶えています。 渡辺:あいの里のエリアですよね。僕もローソン社員時代、異動で北海道で暮らしていた時期があるので、その辺りも車で走ったことがありますが、たしかに当時はお店がなかった。出張コンビニは貴重だったでしょうね。セイコーマートだとしたら、菓子パンは日糧製パンですか?堀井:どうでしょう…そこまでは憶えてないです。 渡辺:日糧製パンで印象に残っているのは、何と言っても「チーズ蒸しパン」なんですよ。今でこそ全国的には山崎製パンの「北海道チーズ蒸しケーキ」が有名ですが、元祖は日糧製パンの「チーズ蒸しパン」です。1990年発売で、仕入れれば仕入れるだけ売れていく大ヒット商品でした。発売年が僕のローソン入社年と同じということもあり、首都圏でも大人気だったので強く印象に残っています。 堀井:思い出した! 私がいつも買っていた菓子パンも「チーズ蒸しパン」でした。早く行かないと売り切れちゃうから、走って買いに行ってたっけ。懐かしいなぁ…。SMAP目当てでローソンへ渡辺:高校時代はいかがですか? 交友関係や行動範囲も広がり、コンビニを使う機会もあったかと思います。堀井:ローソンに行かざるを得ない青春時代でした(笑)。渡辺:どういうことですか? 堀井:『ジャニーズワールド』って憶えてますか?渡辺:憶えてます。なるほど!堀井:私はSMAPの大ファンで、SMAPのビデオがローソン限定だったんですよ。 渡辺:記憶が曖昧ですが、たしか1店舗あたり約40本、当時ローソンは5000店舗前後だったので20万本、毎回予約販売で売れたんですよ。近隣にローソンがないSMAPファンは、親に頼み込んで車で長時間走らせて、ローソンまで買いに行ったそうです。堀井:私も何本も買ったし、SMAP目当てでみんなローソンに行ってました。なんでローソンだけだったんだろう。 渡辺:ローソンにエンタメ系のコンテンツが集中したのは、1997年、コンビニとして初めて全国47都道府県出店を実現したことが大きいです。『ジャニーズワールド』の販売開始直後はまだでしたが、その後は「全国各地に等しく売ることができる」というのは強みでしたね。バイヤー時代「47都道府県すべてに店舗がありますから」は、僕の商談時の口説き文句でした。『たまごっち』(バンダイ)や『ポケモン(ポケットモンスター)』(任天堂)グッズも、ほかのチェーンに先駆けて売っていました。それにしても、堀井先生はSMAPファンだったんですね。誰推しですか?堀井:吾郎ちゃん(稲垣吾郎)です。昔も今も変わらず大好き。メディアの仕事が増えたのに、吾郎ちゃんだけ会えてないんです。ほかのメンバーには会えたのに…。渡辺:稲垣さんはほかの方に比べてバラエティの仕事少ないですからね。堀井:せっかく東京に来て、頑張って弁護士になったのに…。 渡辺:堀井先生が弁護士になった理由って、SMAPに会うためだったんですか?堀井:それだけじゃありませんが、モチベーションのひとつではありました。大学の進路で地元ではなく上京を選んだのも、東京に行ったらSMAPに会えるかな…と(笑)。あとは天邪鬼的な思考で弁護士を目指した感じです。 渡辺:天邪鬼?堀井:私が通っていた札幌南高校は医学部志望が非常に多く、公立校としては医学部進学者数がトップクラスです。同級生も多くは医師志望で、みんなが目指すものはちょっと…と思い、弁護士を目指してみようかなと。ちなみに、進学した中央大学は山の中のキャンパスだったので、大学時代はほとんどコンビニを使ってません。何かすみません。渡辺:いえいえ(笑)。多忙な生活で気づいたコンビニの便利さ渡辺:小中時代は出張コンビニというイレギュラーで、高校時代はSMAPのビデオ購入くらい。そして大学時代もほとんどコンビニを利用していない…わりと珍しいパターンです。 堀井:大学時代から自炊が基本ですし、働き始めてからも全然利用してなかったです。あと、私は食いしん坊なので、自分が美味しいと思うものを食べたいんですよ。結婚後もたまに利用することはありましたが、コンビニのお惣菜やお弁当をあまり美味しいと思えなくて…。ただ、現在は超ヘビーユーザーです。多いときは1日3回くらい行くこともあります。 渡辺:何があったんですか。堀井:きっかけは渡辺さんですよ?渡辺:僕ですか!? 堀井:『ホンマでっか!?TV』を通じて、渡辺さんに出会ったのが2016年ですよね。渡辺さんからコンビニに関するいろいろなお話を聞いているうちに興味が湧いて、少しずつ通うようになりました。渡辺:何を買うんですか? それまで興味なかったじゃないですか。 堀井:PB(プライベートブランド)の日用品や生鮮食品です。子どもが生まれてからというもの、育児と仕事の両立が本当に大変で…。スーパーも決して遠くはないのですが、小さい子どもがいるとこんなに行きづらいものなのかと。そこで、当初はネットスーパーを利用していましたが使い勝手が悪く、最寄りのコンビニが生鮮食品を扱っていることに気づいてからは積極的に利用するようになりました。意外と…と言っては失礼ですが、品質も良くて驚きました。今ではコンビニ食材だけで自炊できますよ。 渡辺:1週間の作り置きの料理、よくInstagramにアップしてますよね。あれ、コンビニ食材だったんですか。堀井:すべてではありませんが、コンビニ食材も多いですよ。あとは、子どものお弁当づくりでも重宝してます。 渡辺:堀井先生のように超多忙な人にとって、コンビニは本当に便利だと思います。堀井:本当にそう思います。渡辺:弁当や惣菜には今でも抵抗ありますか? 堀井:セブン(セブン-イレブン)は美味しいと思える商品がいくつもあります。すごいですよね、大手3社のなかでは頭抜けていると思います。渡辺:将来、お子さんが自立して余裕ができたら、コンビニを利用しなくなる可能性はありますか?堀井:コンビニに慣れてしまったので、今後も利用し続けると思います。きっと、もっと便利で美味しくなっているはずですから。堀井亜生(ほりい・あおい)弁護士。堀井亜生法律事務所代表。北海道札幌市生まれ。家庭問題と医療法務を主に扱う。法律評論家として『ホンマでっか!?TV』(フジ系)にレギュラー出演するほか、多くの番組に出演。著書『ブラック彼氏 恋愛と結婚で失敗しない50のポイント』(毎日新聞出版)など。 渡辺広明(わたなべ・ひろあき)流通アナリスト。コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務など幅広く活動中。フジテレビ『FNN Live News α』レギュラーコメンテーター、TOKYO FM『馬渕・渡辺の#ビジトピ』パーソナリティ。デイリー新潮編集部
渡辺広明(以下、渡辺):堀井先生とは『ホンマでっか!?TV』で共演して以来、親しくさせていただいています。本日はお越しいただきありがとうございます。
堀井亜生(以下、堀井):こちらこそ、お呼びいただきありがとうございます。まぁ、そういう仲だから、事前に渡辺さんから“宿題”が届いていたのでしょうか(笑)。
渡辺:すみません(笑)。今回、対談するにあたって「“コンビニと離婚問題”というテーマで、何か話題はありませんか?」とお願いしていました。我ながら無茶振りかなと思ったのですが、堀井先生ならいけるんじゃないかと…いかがですか?
堀井:ちゃんと用意してきましたよ。ズバリ「モラハラ夫はコンビニが嫌い」です。
渡辺:すごい! ぜひ詳しくお聞かせください。
堀井:モラルハラスメントの範囲は広いですが、とくにドケチタイプのモラハラ夫はコンビニを異常に嫌うんですよ。今のご時世で、コンビニにも十分に安い商品が置かれているじゃないですか。でも、彼らは一様に「高い」と言うんです。
渡辺:たしかにスーパーの方が安い商品も多いですけど…。
堀井:飲み物を買う時は、スーパーどころかドラッグストアしか家族に使わせません。たとえば500mlペットボトルのお茶は、コンビニでは100円前後で売っていますよね。彼らはこれを高いと言い、さらにスーパーの80円のお茶でも高いと怒る。結果、ドラッグストアの特売で60円前後で売られているお茶しか買うことを許さないんです。もちろん家族で出かけるときも水筒を持参するのですが、それがなくなって喉がカラカラで死にそうな状態になって目の前にコンビニがあっても、ドラッグストアまで行ってやっとお茶を買うことを許可するわけです。
渡辺:先生の元へそういう相談があるんですね…。
堀井:モラハラする男性の大半はお金に厳しく「自分の稼いだ金を妻や子どもに使わせない」という精神。また、「妻や子どもが楽をするのが許せない」という気持ちもあります。普通に生活をしていたら、コンビニでちょっとお菓子や飲み物を買うことってありますよね。モラハラ夫はそれすらも絶対に許さないんです。そのため、妻たちは「コンビニで買ったことがバレたら怒られるから、怖くて行けない」そうです。ただ、モラハラ夫自身はコンビニで買い物をしているんです。
渡辺:別に貧乏なわけではないんですよね?
堀井:貧乏どころか高収入で、年収1000万円以上の人も多いです。理系出身のメーカー勤務という傾向もあります。
渡辺:もちろん、すべての男性がそうではないことは分かっていますが、僕の知人の女の子も、某大手メーカーの研究所の男にストーカーされて困っていたことがあります。女性との距離の詰め方がおかしい人って一定数いますよね。
堀井:そうなんですよ。彼らに共通するのは恋愛経験に乏しいことです。とは言え、勤務先や収入は高スペックですから、就職後に相手を探せば見つかります。そして、いざ付き合ったらすぐに結婚。端から見れば超スピード婚ですが、彼らは結婚相手を見つけるために交際しているので、デートする時間とお金がもったいないわけです。女性からしても、相手の人となりが分からないまま結婚するため、結婚後に初めてモラハラが発覚するんです。お相手の女性は、みんな性格のいい人ばかりですが、引っ込み思案で主張が弱いので、抱え込んでしまうんです。
渡辺:興味深い話ですね。堀井先生の『ブラック彼氏』(毎日新聞出版)もおもしろかったけど、モラハラ夫でも一冊書けるんじゃないですか?
堀井:実は来年に出す予定なんですよ、モラハラの本。もし出版したら、またデイリー新潮で取材してください。
渡辺:さて、話題をコンビニに戻しますが、堀井先生は北海道札幌市出身ですよね。コンビニと言えば、やっぱりセイコーマートですか?
堀井:そうなんですが、私は札幌市のなかでも南区という山深い地域の出身なので、あまり周辺のコンビニの記憶がないんですよね。
渡辺:定山渓方面ですよね。
堀井:そうです。ただ、小学校と中学校は北区にある北海道教育大学の附属に通っていました。土曜日になるとセイコーマートが学校に来て、コンテナを並べて食べ物や飲み物を売っていました。たぶん、子どもの頃のコンビニの記憶となると、これが一番印象に残っているかな…?
渡辺:出張コンビニですか! これは非常に珍しいケースです。おそらく、コンビニ本部側の施策ではなく、学校側が近隣店舗のオーナーにお願いしてたんじゃないかな。
堀井:そうかもしれません。当時は周辺に何もなかったので、午後から部活をやる生徒のために、わざわざ臨時の売店を設けてくれていました。いつも500mlパックの桃のジュースと、ツナマヨおにぎりと、菓子パンを買っていたのを憶えています。
渡辺:あいの里のエリアですよね。僕もローソン社員時代、異動で北海道で暮らしていた時期があるので、その辺りも車で走ったことがありますが、たしかに当時はお店がなかった。出張コンビニは貴重だったでしょうね。セイコーマートだとしたら、菓子パンは日糧製パンですか?
堀井:どうでしょう…そこまでは憶えてないです。
渡辺:日糧製パンで印象に残っているのは、何と言っても「チーズ蒸しパン」なんですよ。今でこそ全国的には山崎製パンの「北海道チーズ蒸しケーキ」が有名ですが、元祖は日糧製パンの「チーズ蒸しパン」です。1990年発売で、仕入れれば仕入れるだけ売れていく大ヒット商品でした。発売年が僕のローソン入社年と同じということもあり、首都圏でも大人気だったので強く印象に残っています。
堀井:思い出した! 私がいつも買っていた菓子パンも「チーズ蒸しパン」でした。早く行かないと売り切れちゃうから、走って買いに行ってたっけ。懐かしいなぁ…。
渡辺:高校時代はいかがですか? 交友関係や行動範囲も広がり、コンビニを使う機会もあったかと思います。
堀井:ローソンに行かざるを得ない青春時代でした(笑)。
渡辺:どういうことですか?
堀井:『ジャニーズワールド』って憶えてますか?
渡辺:憶えてます。なるほど!
堀井:私はSMAPの大ファンで、SMAPのビデオがローソン限定だったんですよ。
渡辺:記憶が曖昧ですが、たしか1店舗あたり約40本、当時ローソンは5000店舗前後だったので20万本、毎回予約販売で売れたんですよ。近隣にローソンがないSMAPファンは、親に頼み込んで車で長時間走らせて、ローソンまで買いに行ったそうです。
堀井:私も何本も買ったし、SMAP目当てでみんなローソンに行ってました。なんでローソンだけだったんだろう。
渡辺:ローソンにエンタメ系のコンテンツが集中したのは、1997年、コンビニとして初めて全国47都道府県出店を実現したことが大きいです。『ジャニーズワールド』の販売開始直後はまだでしたが、その後は「全国各地に等しく売ることができる」というのは強みでしたね。バイヤー時代「47都道府県すべてに店舗がありますから」は、僕の商談時の口説き文句でした。『たまごっち』(バンダイ)や『ポケモン(ポケットモンスター)』(任天堂)グッズも、ほかのチェーンに先駆けて売っていました。それにしても、堀井先生はSMAPファンだったんですね。誰推しですか?
堀井:吾郎ちゃん(稲垣吾郎)です。昔も今も変わらず大好き。メディアの仕事が増えたのに、吾郎ちゃんだけ会えてないんです。ほかのメンバーには会えたのに…。
渡辺:稲垣さんはほかの方に比べてバラエティの仕事少ないですからね。
堀井:せっかく東京に来て、頑張って弁護士になったのに…。
渡辺:堀井先生が弁護士になった理由って、SMAPに会うためだったんですか?
堀井:それだけじゃありませんが、モチベーションのひとつではありました。大学の進路で地元ではなく上京を選んだのも、東京に行ったらSMAPに会えるかな…と(笑)。あとは天邪鬼的な思考で弁護士を目指した感じです。
渡辺:天邪鬼?
堀井:私が通っていた札幌南高校は医学部志望が非常に多く、公立校としては医学部進学者数がトップクラスです。同級生も多くは医師志望で、みんなが目指すものはちょっと…と思い、弁護士を目指してみようかなと。ちなみに、進学した中央大学は山の中のキャンパスだったので、大学時代はほとんどコンビニを使ってません。何かすみません。
渡辺:いえいえ(笑)。
渡辺:小中時代は出張コンビニというイレギュラーで、高校時代はSMAPのビデオ購入くらい。そして大学時代もほとんどコンビニを利用していない…わりと珍しいパターンです。
堀井:大学時代から自炊が基本ですし、働き始めてからも全然利用してなかったです。あと、私は食いしん坊なので、自分が美味しいと思うものを食べたいんですよ。結婚後もたまに利用することはありましたが、コンビニのお惣菜やお弁当をあまり美味しいと思えなくて…。ただ、現在は超ヘビーユーザーです。多いときは1日3回くらい行くこともあります。
渡辺:何があったんですか。
堀井:きっかけは渡辺さんですよ?
渡辺:僕ですか!?
堀井:『ホンマでっか!?TV』を通じて、渡辺さんに出会ったのが2016年ですよね。渡辺さんからコンビニに関するいろいろなお話を聞いているうちに興味が湧いて、少しずつ通うようになりました。
渡辺:何を買うんですか? それまで興味なかったじゃないですか。
堀井:PB(プライベートブランド)の日用品や生鮮食品です。子どもが生まれてからというもの、育児と仕事の両立が本当に大変で…。スーパーも決して遠くはないのですが、小さい子どもがいるとこんなに行きづらいものなのかと。そこで、当初はネットスーパーを利用していましたが使い勝手が悪く、最寄りのコンビニが生鮮食品を扱っていることに気づいてからは積極的に利用するようになりました。意外と…と言っては失礼ですが、品質も良くて驚きました。今ではコンビニ食材だけで自炊できますよ。
渡辺:1週間の作り置きの料理、よくInstagramにアップしてますよね。あれ、コンビニ食材だったんですか。
堀井:すべてではありませんが、コンビニ食材も多いですよ。あとは、子どものお弁当づくりでも重宝してます。
渡辺:堀井先生のように超多忙な人にとって、コンビニは本当に便利だと思います。
堀井:本当にそう思います。
渡辺:弁当や惣菜には今でも抵抗ありますか?
堀井:セブン(セブン-イレブン)は美味しいと思える商品がいくつもあります。すごいですよね、大手3社のなかでは頭抜けていると思います。
渡辺:将来、お子さんが自立して余裕ができたら、コンビニを利用しなくなる可能性はありますか?
堀井:コンビニに慣れてしまったので、今後も利用し続けると思います。きっと、もっと便利で美味しくなっているはずですから。
堀井亜生(ほりい・あおい)弁護士。堀井亜生法律事務所代表。北海道札幌市生まれ。家庭問題と医療法務を主に扱う。法律評論家として『ホンマでっか!?TV』(フジ系)にレギュラー出演するほか、多くの番組に出演。著書『ブラック彼氏 恋愛と結婚で失敗しない50のポイント』(毎日新聞出版)など。
デイリー新潮編集部