「この時期に一体、何を!?」唐突なニュースに驚いた向きも少なくなかろう。今月初旬に流れた、山上徹也容疑者の実母による「記者会見開催」報道。その裏側と近況を、実母と近しい関係者が明かした。
***
【画像9枚】自殺した父と兄、宗教に貢ぐ母 山上容疑者の複雑な家庭環境〈「記者会見を開きたい」山上徹也容疑者の母が意向示す〉 そんな報道が出たのは今月9日のこと。射殺犯・山上容疑者は現在、鑑定留置の最中で、その発言は一切聞こえてこない。そんな中、もう一人の“キーパーソン”を取材できるチャンスだけにメディアは色めき立ったが、今に至るまで開催のめどは立っていない。

「その話はもう無くなってしまいました」 と真相を語るのは、実母が所属する、統一教会奈良教会の元教会長である。元教会長は実母とは20年以上の付き合いで、かつて母親が教会に献金の返金を求めた際には、間に入って奔走したことも。事件後も連絡を取り合ってきた。カルト2世の悲しき末路「お母さんはこれまでの報道を見ていて、自分の言葉が知らないところで独り歩きしていると思っていた。だから自分の本当の気持ちを言いたい、また、事件からひと月も経っているのに沈黙したままでは申し訳ないという思いがあったんです。何かを発表しようと、ひとまず考えを文書にまとめてみたそうですが……」「自分への批判を避けようとするニュアンスが」 それを見て、元教会長は「会見はやめた方がいい」と意見したという。「文章自体は普通のものでしたよ。ただ考えがまとまっていない。だから、自分への批判を避けようとするニュアンスが出てしまっていた。“しばらく熟考したいからそっとしておいてください”というような言葉が入っていたんです。それなら結局、袋叩きになってしまうだけですからね」 また、「このタイミングでコメントを出したとしても、どうしても教会が裏で糸を引いているように思われてしまいますから」“憎いとかはない” こうして頓挫した「記者会見」計画。 実母は事件後、奈良の自宅から大阪府内にある義兄、つまり、山上容疑者から見て伯父の元に身を寄せたが、これも状況が変わったという。「会見を開きたいと言ったことで、伯父さんが怒って“出ていけ!”となった。それ以来、僕の近くにいるんですよ」 と元教会長が続ける。「当初は“奈良に帰る”と言っていましたが、それは難しい。で、僕がいる大阪市内に出てくることを勧めたんです。もちろん一緒にはおりませんが、絶えず連絡を取り合っています」 これは統一教会サイドの意向でもあるとか。教会としても実母に勝手をされては何を言われるかわからない。元教会長を介し、コントロールできる状態にしておきたいということだろう。教会に対して「憎いとかはない」 現在の彼女の精神状態はどうなのだろうか。「“安倍さんに申し訳ない”とは言ってますね。一方で、まだふわーっとしているというか。そもそも、彼女は誰かの悪口を言うタイプではない。教会に対しても、“憎いとかはないんですよね”と口にしています」 今後、改めて会見などの機会はあるのか。「国葬の辺りがタイミングだと思います。その頃に何らかの発表をするか、あるいは実際に安倍さんに手を合わせたいという話もしています」 とはいえ、そんなことをしたところで安倍元総理の霊は浮かばれないだろう。 未だ現実感覚がまひしているかに見える、山上容疑者の母。本当の思いが彼女の口から語られるのは、まだまだ先ということか。「週刊新潮」2022年8月25日号 掲載
〈「記者会見を開きたい」山上徹也容疑者の母が意向示す〉
そんな報道が出たのは今月9日のこと。射殺犯・山上容疑者は現在、鑑定留置の最中で、その発言は一切聞こえてこない。そんな中、もう一人の“キーパーソン”を取材できるチャンスだけにメディアは色めき立ったが、今に至るまで開催のめどは立っていない。
「その話はもう無くなってしまいました」
と真相を語るのは、実母が所属する、統一教会奈良教会の元教会長である。元教会長は実母とは20年以上の付き合いで、かつて母親が教会に献金の返金を求めた際には、間に入って奔走したことも。事件後も連絡を取り合ってきた。
「お母さんはこれまでの報道を見ていて、自分の言葉が知らないところで独り歩きしていると思っていた。だから自分の本当の気持ちを言いたい、また、事件からひと月も経っているのに沈黙したままでは申し訳ないという思いがあったんです。何かを発表しようと、ひとまず考えを文書にまとめてみたそうですが……」
それを見て、元教会長は「会見はやめた方がいい」と意見したという。
「文章自体は普通のものでしたよ。ただ考えがまとまっていない。だから、自分への批判を避けようとするニュアンスが出てしまっていた。“しばらく熟考したいからそっとしておいてください”というような言葉が入っていたんです。それなら結局、袋叩きになってしまうだけですからね」
また、
「このタイミングでコメントを出したとしても、どうしても教会が裏で糸を引いているように思われてしまいますから」
こうして頓挫した「記者会見」計画。
実母は事件後、奈良の自宅から大阪府内にある義兄、つまり、山上容疑者から見て伯父の元に身を寄せたが、これも状況が変わったという。
「会見を開きたいと言ったことで、伯父さんが怒って“出ていけ!”となった。それ以来、僕の近くにいるんですよ」
と元教会長が続ける。
「当初は“奈良に帰る”と言っていましたが、それは難しい。で、僕がいる大阪市内に出てくることを勧めたんです。もちろん一緒にはおりませんが、絶えず連絡を取り合っています」
これは統一教会サイドの意向でもあるとか。教会としても実母に勝手をされては何を言われるかわからない。元教会長を介し、コントロールできる状態にしておきたいということだろう。
現在の彼女の精神状態はどうなのだろうか。
「“安倍さんに申し訳ない”とは言ってますね。一方で、まだふわーっとしているというか。そもそも、彼女は誰かの悪口を言うタイプではない。教会に対しても、“憎いとかはないんですよね”と口にしています」
今後、改めて会見などの機会はあるのか。
「国葬の辺りがタイミングだと思います。その頃に何らかの発表をするか、あるいは実際に安倍さんに手を合わせたいという話もしています」
とはいえ、そんなことをしたところで安倍元総理の霊は浮かばれないだろう。
未だ現実感覚がまひしているかに見える、山上容疑者の母。本当の思いが彼女の口から語られるのは、まだまだ先ということか。
「週刊新潮」2022年8月25日号 掲載