死者58人、行方不明者5人を出した御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火災害から来月で8年になるのを前に、災害の伝承や火山情報の発信などを目的に「御嶽山ビジターセンター」が27日、長野県側の登山口と麓の2か所にオープンした。
施設では、噴火の経過や救助・救出活動の様子を写真や映像で伝え、噴石の被害を受けた山頂施設の一部や火山灰にまみれた犠牲者の所持品などを展示している。麓の木曽町に開設された施設には、噴石で多くの穴が開いた山頂の御嶽神社奥社祈祷(きとう)所の壁や、ゆがんだ石段の手すりなどが展示された。登山口の王滝村の施設には、カメラや衣類などの犠牲者の遺品が並べられた。
遺族らでつくる「山びこの会」事務局代表のシャーロック英子さん(63)は、「戦後最悪の山岳災害の教訓を継承していかなければいけない。その拠点としてみんなが集える場所になってほしい」と話した。
王滝村の施設は県が、木曽町の施設は町が整備。噴火警戒レベルなど、火山活動の最新情報をデジタルサイネージ(電子看板)で発信している。入館無料。