紅茶と菓子や軽食を楽しむメニュー「アフタヌーンティー」を実施する店に勤めるパティシエが、同日に2組の無断キャンセルを受けたと落胆を伝えるツイートが注目を集めている。
「こんなに見た目も綺麗で美味しそうなのにドタキャンとか理解不能」などと同情の声が寄せられている。投稿者のパティシエに詳しい話を聞いた。
話題となっているのは、大阪府・梅田に店を構えるフルーツパーラー・ベーカリー「Season&Co.」でシェフパティシエを務める小北晃大さんによる2022年8月24日のツイートだ。同店はアフタヌーンティーで人気を博す。小北さんは、
と投稿し、ほぼ準備が完了した4人分のアフタヌーンティーセットの写真を添付した。イギリスをテーマに、シルクハット風の帽子を被ったテディベアの菓子を中央に据え、色とりどりの小さなケーキやキッシュが台に並ぶ。
投稿は5100件以上のリツイートや7万7000件超の「いいね」を集めるなど注目され、「ひどい…」「こんなに見た目も綺麗で美味しそうなのにドタキャンとか理解不能」「金払ってでも俺が普通に食べたい」「一生懸命作って下さったものを、その思いを、材料を、時間を台無しにするその行為許されない」といった声が寄せられている。
詳しい経緯について小北さんは25日、2組はそれぞれ1か月ほど前に予約をしており、店が前日に予約確認のメールを送付しているにもかかわらず、無断で予約を放棄したとJ-CASTニュースの取材に明かす。その後、いずれも連絡がつかない。
キャンセルは多々あるが、2組が重なるのは珍しく、衝撃が大きかったという。
かつ、1組に関しては22日ごろに要望を受けて日程変更に応じていたともいい、小北さんは理解しかねると困惑するようすを見せる。
さらに酷いときは着信拒否をされるとこぼし、「せめて連絡してほしい」と訴えた。
今回、無断キャンセルの被害にあったのは、「英国紳士のお茶会」と題された税込5500円のアフタヌーンティーセットだ。7月7日から8月30日まで1日20人の完全予約制で提供している。
予約については、当日キャンセルのみ代金の全額が発生する旨を周知している。ただ店が事前決済に対応しておらず、クレジットカード登録も行っていないため、制度は十分に機能していない。
急なキャンセルが出た際は、店頭に並んでいる客に価格を落として料理を提供することで、大きな損失や廃棄を防いでいる。
事前決済のシステムを導入しないことには、当事者からキャンセル料を徴収するのは「無理だと思います」と言う。店で検討したこともあるが、様々な事情から踏み切れずにいる。
細かい理由としてはシステムにかかる手数料や、アフタヌーンティーのほかに予約不要なメニューも扱っているため管理の仕方が難しいといった運営の都合を挙げた。
今後については「ほとんどがまともなお客さんなのでそこを信じてやっていくしかないです」と意気込む。コロナ禍という状況もあるため、自身の心持ちとして、すべからくキャンセル料を取りたいわけではないという私見も添える。
反響の大きさには「ただの僕の愚痴ツイートですので」と驚きを示した。
小北さんは今後、同店から独立するとツイッターで公表している。最後に手がけるアフタヌーンティーセットが、9月5日から始まるサンリオとのコラボイベント「ハローキティのHELLO CAFE with Season&Co.」で提供される。「ご予約お待ちしております」と小北さんは呼びかけた。