新潟県十日町市にある、「越後妻有里山現代美術館MonET」で展示されている作品「エントロピア」(大地の芸術祭)。破片が散らばっているだけのようにも見えますが、こうなっているのには、理由があります。
作者・クワクボリョウタさん:「物が散乱する様子には、ある種の美しさがある。バラバラになった作品を片付けながら、そう感じてしまった」
作品の元になったのは、作者のクワクボさんが以前作った作品「LOST#6」です。
実は今年4月、修学旅行でこの美術館を訪れた中学校の生徒によって、バラバラに壊されるという目に遭っていました。
とても元に戻せないほどの状態だったため、展示が中止されていましたが、作者のクワクボさんがそこに着想を得て、新たな作品が生まれたのです。
クワクボさん:「この作品では、乱雑に置かれた鏡の破片が、なぜか秩序だったモザイク模様を映し出す。それによって、一度は失われた秩序が、再び並べ直されることで、新しい秩序を形作る。そのような状況を現出しようと試みた」