新型コロナウイルスに感染した岸田文雄首相が22日、政治資金パーティーをひっそりと開催していたことが分かった。首相の事務所は取材に、首相はパーティーを“欠席”したと説明した。パーティーでは出席者に話題の「岸田ノート」(非売品)を配布。フリマアプリで一時は2万円の高値が付いた売買価格が内閣支持率とともに暴落した。
首相が新型コロナに感染したことは21日に発表された。軽症で済んでおり、夏休み明けだった22日からリモートで公務を行っている。
22日には都内の高級ホテルで、首相個人の政治資金パーティーが開催された。出席者の話。
「パーティーに肝心の首相の姿が見当たりませんでした。新型コロナに感染したから欠席したのかなと」
開催前日21日に新型コロナの感染が発表されていただけに、首相の欠席は出席者も想定済みだったという。
「だからか、出席者は80人ほどだったと思います。少なかったですね」(同)
首相の事務所は取材に、新型コロナに感染する前から本人はパーティーに出席する予定はなかったと説明した。ハナから首相が出席しないで開催予定だったという。
22日のパーティーでは、首相自慢の「岸田ノート」が土産として出席者に配られた。首相は昨年の自民党総裁選で、「聞く力」をアピールするために自身のメモ用ノートを披露。これが「岸田ノート」と話題になった。ノートの色は紺で、サイズは小ぶりのA6判。裏表紙に「岸田文雄」と達筆なサインが印字されている。
今年5月に都内で開かれた岸田派の政治資金パーティーでは、出席者への土産として岸田ノートと同形のノートを配布。これがメルカリにこぞって出品され、2万円の高値が付くなど話題になり、首相は「ありがたい」と満足げだったそう。党内からは「喜んでいる場合か!」とツッコまれたという。
好評を受け、岸田派ではなく首相個人の今回のパーティーで“増版”して再び土産として配ったわけだ。だが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)や安倍晋三元首相の国葬、物価高などの対応で内閣支持率が急落するとともに、岸田ノートの売買価格も暴落した。
前出出席者は「私も5月のパーティー後、岸田ノートを出品して2万円で売れたんですが、現在の売買価格を見てガク然としました」と嘆く。メルカリを見ると、ここ1~2日の間で2000円ほどで取引されており、10分の1に暴落した。
「岸田ノートの物珍しさがなくなったとともに、内閣支持率が急落したのにつられるように売買価格も暴落した形です」(永田町関係者)
すでに党内では、2025年を心配する声が出ている。夏に次期参院選があり、衆院は解散がなければ秋に総選挙が行われる。
「『3年後には国民も、旧統一教会の問題を忘れてるだろう』って声もあるが、問題はそこじゃない。次の選挙ヤバイよ」と声を潜めるのは中堅自民議員の秘書だ。
「旧統一教会の応援がなくなり、組織票は減り、タダで働いてくれた教会スタッフもいなくなるだろう。秘書同士の話では、教会の後援に頼ってきた議員ほど『次どうしよう…』ってなってる。教会ドップリな党最大派閥・安倍派はかなり弱体化して、内紛が起こりそう。安倍派の若手には、他の宗教団体に頭を下げようかなんて言い出す議員も。人気があって教会とは近くない麻生(太郎副総裁)さんは『何の心配もいらねぇだろ』と言ってたらしいが、岸田さんは胃が痛そう」
昨年10月に岸田内閣が発足して以来、最初の壁にぶち当たった。