旧統一教会問題は朗報だった!? 岸田文雄首相が発表した新型コロナウイルス感染者の全数把握方法の見直し方針について、小池百合子東京都知事は25日、「当面は現在の運用を続ける」と話した。
政府は第7波で医療機関や保健所の業務が逼迫していることから、負担軽減のために全数把握の方法を見直すとしていた。自治体の判断で、コロナ患者の発生届を高齢者など重症化リスクの高い人に重点化することが可能になるが、「自治体に丸投げ」との批判もあった。
小池氏は25日の会見で、全数把握見直しについて「医師が患者さんを診て作成する発生届は、感染動向の把握に加えて、患者さん一人ひとりの健康状態の把握、そして必要な医療につなげるという機能がある。大切なのは都民の命と健康を守ること。患者さんを大事にしたいので発生届については現在の運用を続ける」と明言した。
国の方針に異を唱えることになった小池氏だが、参院選で元秘書を当選させることができなかったことから「パワーダウンした」と指摘されていた。その一方で参院選に勝利した自民党も、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係が指摘される議員が多数出た問題で勢いを落としている状況だ。
旧統一教会の問題は国会だけでなく都議会も無縁ではいられないが、小池氏にとっては有利な材料だという。政界関係者は「小池氏は衆院議員時代の対抗馬に『旧統一教会とズブズブ』とウワサされた人物がいました。だから、小池氏にとって旧統一教会は敵といってもいい。距離はかなりありますよ」と明かした。小池氏自身も7月の会見で「まったくその関係はないです」と回答した。都政関係者は「都議会議員にも調べれば旧統一教会と接点のある人は出てくるでしょう。結構多いのでは?」と指摘。都議会でもこの関係が問題化すれば、「旧統一教会の敵」である小池氏が再浮上するかもしれない。