マッチングアプリで「うずしお先生」と名乗り、知り合った女性3人に性的暴行をしたなどとして、強制性交などの罪に問われた松本学被告(49)に対する判決公判が大阪地裁で開かれた。
中川綾子裁判長は「巧妙かつ卑劣」として、懲役10年(求刑懲役12年)を言い渡した。16日付。
判決によると、松本被告は、令和元年9月~2年8月、当時19~24歳の女性3人に対し、性的暴行やわいせつな行為などをした。事前に裸の動画を送らせるなどした上で、「もうすでに完全にとらわれの身だよ」「ネットに名前もなにもかもさらされたら困らない?」といったメッセージを送り、犯行に及んでいた。
弁護側は「女性との同意があった」と無罪を主張したが、中川裁判長は、メッセージの内容などから有罪と認定。「動画の拡散を恐れた被害者が意に反することを著しく困難にする卑劣な脅迫をした」と述べた。
また、松本被告には性犯罪などで前科が3犯あり、直近でも13年間服役していたにもかかわらず出所から約1年後に同種の再犯をしたとして、「常習性は顕著で性癖のゆがみは相当に根深い」と指弾した。
逮捕当時、松本被告は性暴力加害者の更生支援をうたう一般社団法人の代表理事。雑誌が企画した座談会にペンネームで参加し、過去の服役中に再犯を防ぐための「性犯罪者処遇プログラム(R3)」を受講した体験を明かし、「私の場合はR3だけじゃなく個人的に10年間それなりの訓練を続けてきた」などと語っていた。