岸田文雄首相は「政治とカネ」の問題を抱える寺田稔総務相(64)=自民党岸田派、衆院広島5区=を更迭する検討に入った。首相は19日、訪問先のタイ・バンコクで記者会見し、2022年度第2次補正予算案などの政策課題や閣僚の説明責任に言及した上で、寺田氏の処遇について「この二つの観点からどうあるべきか、首相として判断していきたい」と述べた。与党幹部とも協議した上で20日にも結論を出したい考えだ。
「辞めないと大変なことに」 寺田氏に早期辞任論浮上 首相は19日夜、一連の東南アジア歴訪日程を終え、帰国する予定。週明け21日に2次補正予算案の審議入りを控える。寺田氏の「政治とカネ」の問題を巡っては連日、国会で野党の追及が続いており、首相は審議入りまでに寺田氏続投の可否の判断を迫られる。 首相は会見で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題の被害者救済のための新法制定、防衛力の抜本的強化、新型コロナウイルス第8波への対応などにも触れ「臨時国会、さらに年末にかけてまさに勝負のときが続く。必ず結果に結びつけていく。この2カ月間、政権の全ての力をこれらの課題一つ一つに集中していきたい。政権全体のこうした方針を最優先していく」と述べた。 さらに「内外の課題、難題に逃げずに正面から取り組む以外に岸田内閣が安定した政権運営を果たす道はないと覚悟している」とも語った。 寺田氏が国会で説明責任を果たすよう求められていることを念頭に「各閣僚も各自に求められる説明責任を徹底的に果たさないといけない」と強調した。 岸田内閣を巡っては、秋葉賢也復興相=茂木派=も「政治とカネ」の問題を抱える。このため、自民党内の一部には内閣改造で局面転換を図るべきだとの意見もある。首相は19日の会見で「適切なタイミングを首相として判断していきたい」と述べるにとどめた。 寺田氏は、政治資金を巡る問題が相次ぎ判明している。地元後援会は政治資金収支報告書に会計責任者として死亡した人物を記載していた。17日には週刊文春が21年の衆院選で運動員買収をしたとの疑惑を報じ、寺田氏は18日の会見で「まだ確認を行っている最中だ」と述べるにとどめた。 首相は10月24日に旧統一教会との関係が次々判明した山際大志郎前経済再生担当相=麻生派=を、11月11日に死刑執行に関する失言をした葉梨康弘前法相=岸田派=を更迭したが、いずれも与野党から「判断が遅れた」と批判を招いた。【高本耕太、バンコク高橋恵子】
首相は19日夜、一連の東南アジア歴訪日程を終え、帰国する予定。週明け21日に2次補正予算案の審議入りを控える。寺田氏の「政治とカネ」の問題を巡っては連日、国会で野党の追及が続いており、首相は審議入りまでに寺田氏続投の可否の判断を迫られる。
首相は会見で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題の被害者救済のための新法制定、防衛力の抜本的強化、新型コロナウイルス第8波への対応などにも触れ「臨時国会、さらに年末にかけてまさに勝負のときが続く。必ず結果に結びつけていく。この2カ月間、政権の全ての力をこれらの課題一つ一つに集中していきたい。政権全体のこうした方針を最優先していく」と述べた。
さらに「内外の課題、難題に逃げずに正面から取り組む以外に岸田内閣が安定した政権運営を果たす道はないと覚悟している」とも語った。
寺田氏が国会で説明責任を果たすよう求められていることを念頭に「各閣僚も各自に求められる説明責任を徹底的に果たさないといけない」と強調した。
岸田内閣を巡っては、秋葉賢也復興相=茂木派=も「政治とカネ」の問題を抱える。このため、自民党内の一部には内閣改造で局面転換を図るべきだとの意見もある。首相は19日の会見で「適切なタイミングを首相として判断していきたい」と述べるにとどめた。
寺田氏は、政治資金を巡る問題が相次ぎ判明している。地元後援会は政治資金収支報告書に会計責任者として死亡した人物を記載していた。17日には週刊文春が21年の衆院選で運動員買収をしたとの疑惑を報じ、寺田氏は18日の会見で「まだ確認を行っている最中だ」と述べるにとどめた。
首相は10月24日に旧統一教会との関係が次々判明した山際大志郎前経済再生担当相=麻生派=を、11月11日に死刑執行に関する失言をした葉梨康弘前法相=岸田派=を更迭したが、いずれも与野党から「判断が遅れた」と批判を招いた。【高本耕太、バンコク高橋恵子】