「精神的に不安定な女性に優しくしたら、自分に興味を持ち簡単に交際や性交ができると思った」
被告は、犯行に及んだ身勝手な動機について法廷でこう語った。
7月4日に横浜地裁(神奈川県横浜市)で行われたのは、女子中学生の自殺をほう助した罪などに問われている無職・野崎祐也被告(29)の初公判だ。野崎被告は’22年9月、SNSで知り合った自殺願望がある横浜市の女子中学生Aさんをわいせつ目的で誘拐。埼玉県さいたま市内の自宅から相模原市内の橋へ車で連れ出し、欄干を乗り越えさせたとされる。
「野崎被告は起訴内容を認め『今まで自殺願望のある5~6人の女性と会っていた』と話しています。検察側は、野崎被告の犯行をこう断罪しました。『性交の目的を達成していたことで、被害者が亡くなれば自らの犯罪行為が発覚しないですむと考え自殺をもちかけた』と」(全国紙司法担当記者)
『FRIDAYデジタル』は’22年10月20日配信の記事で、事件を詳細に報じている。再録し、野崎被告の身勝手な動機と女性への異常な執着を振り返りたい(内容は一部修正しています)ーー。
「(’22年)10月3日の午後、玄関を開けたら捜査員とぶつかったんです。『失礼しました。神奈川県警です』と名乗っていた。何か事件が起きたんだと思いました。捜査員は十数名いて、通路にブルーシートを敷き隣の部屋から荷物を運び出していましたよ。捜査は4日ほど続きました」
被告の自宅の隣に住む住人は、記者にこう語った。
10月17日に神奈川県警が再逮捕したのが野崎被告だった。県警は9月27日にも、女子中学生Aさんを連れ回した未成年者誘拐の疑いで野崎被告を逮捕。防犯カメラの映像から、2人が行動をともにしていたことがわかっている。
「AさんはSNSに自殺願望をほのめかす投稿をし野崎被告が反応します。2人は9月20日に都内で初めて会い、野崎被告の自宅に数日滞在。9月23日に、野崎被告は車でAさんを相模原市の山間部にかかる橋へ連れていきました。Aさんの自殺を手助けするためだとみられます。
近くには民家があり日中は交通量も多い場所ですが、当日は大雨が降っていた。Aさんは、この橋から川に飛び込んだと思われます。家族からの行方不明届が出されていたため県警が周辺を捜査すると、9月29日にAさんの遺体を発見しました」(全国紙社会部記者)
野崎被告は逮捕当初、「(Aさんに)自宅近くだと言われたので車から(現場付近へ)降ろしただけ」と説明。その後、捜査が進むと「間違いありません」と犯行を認めた。
「野崎被告は、こうも供述していたそうです。『自殺願望のある少女をSNSで探していました。誘い出せたのが、たまたま女子中学生だった』と。複数のSNSアカウントを使い分けていたそうです。しかし事件直後に大半を削除。Aさんとの接点を、隠蔽しようとしたと思われます。
小・中学校時代の知人女性の話では、野崎被告はSNSを駆使して執拗に連絡をとってきたそうです。『女の子を紹介して』『オマエはどう?』と。返信すると『今、オレ彼女いなくて』『なんとかして』と、さらにしつこくメッセージを送ってきたとか。イヤになり、連絡をとるのを止めた女性も多いと聞いています」(同前)
身勝手な欲望から、少女の運命をもてあそんだ男は重い罪を背負うことになる。