「気をつけてね」と見送った直後に悲報…関係者ショック隠せず ヨット衝突事故で70歳医師が死亡

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13日午前、大分県津久見市の保戸島沖で、ヨットと砂利採取運搬船「第三十八さだ丸」が衝突する事故が発生した。この事故で、大分市在住の医師・山本真さん(70)が死亡した。山本さんは3日前にレース大会に出場。13日朝に出港を見送った大会主催者の上杉育功会長は「まさかこういう形で連絡が来るとは」とショックを隠せなかった。
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大分海上保安部によると、13日午前8時15分ごろ、砂利採取運搬船(492トン・全長64.71メートル)の船長から「保戸島東沖でヨットと衝突した。ヨットには複数人が乗っていた可能性があるが詳細は不明。沈没した可能性がある」と通報があった。
大分海上保安部が行方不明者の捜索を行い、午前10時ごろに山本さんを発見・救助したが、心肺停止状態で、その後死亡が確認された。
佐伯セーリングクラブの上杉育功会長によると、山本さんは同日午前6時30分ごろ、佐伯市内の港から1人で約10メートルのレーシングタイプのヨットに乗って出港した。「朝6時半ぐらいに『気をつけてね』と声をかけて見送りました。普段通り元気な様子で、レースに出てくれたお礼を言って別れたばかりでした」と振り返った。
「幼い頃からお世話になった方」と語る上杉会長は、「70代のヨットマンは珍しくなく、山本さんも30年以上の経験を持つベテランだった」と説明。「海の上では予想できないことが起こる」という。
山本さんは、大分市内にある西大分港を目指していたとみられる。上杉会長は「出港時はデッキに1人しかいなかった」と話している。
山本さんは8月10日に大分県佐伯市で開かれた「佐伯市長杯クルーザーレース大会」に仲間とともに出場していた。大分協和病院の院長で、ALS=筋萎縮性側索硬化症の在宅医療に力を注ぎ、たんの自動吸引システムの開発に尽力した。
大分海上保安部は、船の乗組員から事情を聴くなどした結果、ヨットには山本さん以外に乗船者はいないと判断し、日没をもって捜索を終了。引き続き事故の原因を調べている。

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