3月6日、株式会社リクルートが毎年公表している「SUUMO住みたい街ランキング 首都圏版」の順位が今年も発表された。1位は8年連続で横浜(神奈川県)が獲得し、2位大宮(埼玉県)、3位吉祥寺(東京都)と続くなか、昨今ランクインし注目されるのは15位の立川(東京都)だ。いったい、どんな街なのか。
【画像】立川の誇り! 都内最大の公園や、富士山が見える商業施設
3月6日に公表された「SUUMO住みたい街ランキング 首都圏版」は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県の居住者から、20歳~49歳の男女1万人を対象に行なったWEBアンケート結果を集計したものだ。
立川は、JR立川駅至近にある多摩モノレール・立川北駅と立川南駅の合算で、合計451ポイントを獲得。15位は、2018年以降で最高順位だという。
時をほぼ同じくした3月4日には、人気バラエティ番組『マツコの知らない世界』(TBS系)でも、立川がクローズアップされる場面があった。
番組は後半に「地価の世界」を放送し、不動産鑑定士2名が昨今の土地事情を解説。公示地価をチェックするほどの地価好きだというマツコ・デラックスは、専門家顔負けの知識を披露した。
とくにヒートアップしたのが立川の話題で、不動産鑑定士が「マンションインフルエンサーの発信で地価がUP」と立川の事例を紹介したところ、マツコは「立飛グループね」「北口の綺麗に整備されたところ。あのららぽーとまで続く広大な土地、アレ全部立飛グループ(の持ち物)」「それでイメージを上げて、地価を上げるっていう」などと玄人顔負けの見立てを披露。
一応、「それはすごいんだよ。立川の駅前って今めちゃくちゃ綺麗な街」などとフォローもしたが、「だから立川の奴ってインタビューすると『もう新宿には出なくて十分なんです』とか言うのよ」「いっぺんシメに行かないといけない!」など、立川住民の意識に対して毒づいた。
これに対し、立飛ホールディングスは広報部の公式Xで「マツコさんが『#立飛』のお話してくださってる…!!!」「感動!嬉しい!!」などと反応。毒づかれながらも喜びを爆発させている。
#マツコの知らない世界 ま、ま、マツコさんが!?「#立飛グループ」を認知してくださってる…!!!マツコさんが「#立飛」のお話してくださってる…!!!大好きな #マツコ さんが!!感動!嬉しい!!こんな日が来るなんて…!!#立川#地価上昇ミステリー#TBS #TBSテレビ pic.twitter.com/2LIwC0wwNw
このように、近年の立川は再開発などによって地域イメージが改善し、「住みたい街」としても認知されつつある。では、いったい、立川はどんな地でどんな人が住んでいるのだろうか。
JR立川駅は南北に出口が広がり、北口にはバスターミナルや百貨店など、“都会”を感じさせる施設が林立している。
出てすぐの場所にはタワーマンションもそびえ立ち、下層階には家電量販店、ドラッグストアのほか、市の窓口まで入っている。
人通りも昼夜問わず多く、年齢層も老若男女幅広い。人流の多さで言えば、新宿や池袋といったターミナル駅にも引けを取らないレベルだ。
一方で、南口はややディープな雰囲気が漂う。
改札を出て見渡すとパチンコ店、飲み屋が入ったビルなどがすぐ目に入る。また、付近には競馬の場外馬券発売所・ウインズ立川もある。
地元民を中心に立川について聞いてみた。
「この辺は住みやすいですよ。もともと米軍基地もあったから、外の文化も入ってきてる感じ。なんでもあるし交通も便利だし、昭和記念公園もあって、とくにファミリー層にはいいんじゃないかな」(40代男性・会社員)
「映画館とかららぽーととか、そういう施設はすごいと思う。駅の周りなら吉祥寺より栄えてる。(マツコの発言を伝えると)新宿まで出なくていいのは本当にそう。伊勢丹もルミネもあるから実質新宿」(20代女性・学生)
「中央線が新宿寄りになるにつれ都会度が増していくけど、立川にIKEAがあるのはでかいですよね。ららぽーともあるし、この2つが両方あるのはでかい。IKEAからは富士山が見えて、これがめっちゃ綺麗」(30代男性・会社員)
「地元愛が強いから市外になかなかでない。同じ東京都なんだけど、23区内のことだけを“都内”と呼ぶ人たちも多いからね」(50代男性・不動産店)
やはり、地元民の愛着は強い街のようだ。
立川といえば、八王子とのライバル関係が地元の定番ネタと化している。ともに中央線沿線の多摩地域であるほか、地元愛に満ちた“マイルドヤンキー”の多さも有名だ。
「八王子も栄えてるけど、立川のほうが都心に近いじゃないですか。仮に東京都が23区だけになって、23区外だけで県になるなら、県庁所在地は立川じゃないですかね」(10代男性・学生)
「八王子なんかヤンキーで知られるけど、立川も結構血の気は多いよ。地元のセンパイたちはいまだに『何中出身だ?』って初対面の人に聞くし、暴走族のブラックエンペラー(の総長だった)宇梶剛士さん(立川出身)と『交流があった』ことがひとつのステータスですからね」(地元・飲食店店主)
ファミリー層に勧める人から、治安があまりよくないと感じる人まで、さまざまな意見が飛び出した都市・立川。
少子化で人口が減っていくなか、今後はどのような発展を遂げるのだろうか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班